「満腹感とアルコール度数は正比例する」とかのアインシュタインも言ったように、僕らは次第にアルコール度数の高い飲み物にステップアップしていき、みんなマドロミの眼差しで焚き火を見つめていると自然と口数も減っていき「無の境地」へ誘われていった・・・と思っていたが今回はなんとなくいつもと違っていた。
違和感の原因はもうわかっていた。「鮭」だ。普通、キャンプに来ればうまい空気を吸って清々しい気分になれるというのに・・・。とても残念だが現実はどうする事も出来ない。それでも僕は諦めきれず行動に出た。力を尽くして息絶えた鮭への弔いと少しでも悪臭を改善するための策として「鮭を焚き火で火葬しよう」と考えたのだ。
思い立ったら吉日、とばかりに僕は火箸をもち、キャンプサイトの近くから順に鮭を拾ってきては焚き火に投入していった。息絶えて何日も経過しているものはすっかり乾燥して干物同然になっていたり、逆にスーパーで切り身にして売れるんじゃないかと思うほど新鮮なものまで、さまざまな状態のものがあったが構わず焚き火に投入して暫くすると、今度はなんとも言えないんまそうな匂いがあたり一面に漂い始めた。焚き火の中に目を移すと鮮やかなサーモンピンク色をした鮭が焼きあがっていた。あいにく僕らは腹いっぱいだったのでそのまま見送ってしまったがあったかご飯があれば間違いなく3杯はいけたと思う。
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